夏の食事の注意点
家庭でできる簡kantan単介護食
■ 食事ばかりに手間がかけられない
ご自宅での介護の中で「食事」は大きな悩みのひとつかと思います。 介護食と申しましても様々なケースがありまして、
・噛む事が難しい方 ・飲み込む事が難しい方・小食の方 ・食欲が落ちてしまった方
・好き嫌いの激しい方等が挙げられるかと思います。特に夏場のこの時期では、「食欲が落ちてしまい悩んでいます」という声が多く 聞かれます。 高齢の方は消化吸収能が落ちて、とりあえず食事が摂れていてもたんぱく質が不足
気味で、栄養状態が低 下してしまいます。
またむせりがあるからと水分が摂れてな く、のどの渇きが鈍感になることが重なり脱水になったり、筋力も抵 抗力も落ちて肺炎等の 感染 症にかかりやすくなります。
お悩みの理由として「作り方が解らない」「作る時間がない」等あると思います。
介護をされるご家族の方もそれぞれの生活の中で食事のことばかりに時間を費やせないのが現実だと思いますし、お住まいの近くにスーパーが無い場合はなお難しくなると思
います。
一般的に、刻んだりミキサー(フードプロセッサー)にかけたものが多く、講習会等ですと魚や肉をペースト状にしてゼリー状に固めてまた魚の形にぬくなど聞かれたことがあると思います。 これもそれなりのメリットはあるのですが“毎日のご家庭で”となるとどうでしょう。。。
私どもですと、これを仕事としていますので当たり前にとらえられますが、ご家族の食事も
作って、また別に作って、というのはなかなか大変ですし疲れてしまうと思います。
■ 献立のポイント
食事作りのポイントとして栄養士的に申し上げてしまいますと「バランス良く摂りましょう」
となってしまいますが、大きく3つだけ。
1. まず主食。これはご飯・粥・麺・パンなどなんでも良いです。 その日の気分で食べられそうなもの・お好みのものでをお勧め下さい。
2. 次に汁ものを必ず添えること。
みそ汁やすまし汁の塩分を気にされる方も多いと思いますが1食1杯程度ですと心配ないかと思います。
3. おかずは魚・卵・肉・豆腐などのたんぱく質源と、煮たり炒めたりゼリー状に寄せものにした野菜のおかずを準備しましょう。
■
今日の献立 〜ご家族の方と同じ内容で〜
今回のメニューは食欲を出すことをポイントに考えてみました。 何より食べてもらえなければ何の解決にもつながらないことが多いからです。食べられないときは、細かいことを抜きにしてその方の好きなものをお勧めいただきたいと思います。
その事がきっかけとなり食事量が安定することが多いからです。
もし、各既往症で食事制限を伴っていらっしゃる方ですと食事制限がメニューの幅を狭めなお食べられなくなってしまいますが、摂取量が50%を切っていたら一時的に制限をといて好きなものを食べて頂いて良いかと思います。 ですがその際は必ず通院されている病院の栄養士の先生にご相談されてください。 飲み込みが悪くなった方でも、噛む力がないのか飲み込む力がないのかで方法は変わります。 食べている様子の変化、咳き込んだりむせていないか、食事量が急に減っていないか、ごっくんと飲み込めているか、よく見てあげる事が大切なポイントです。
・噛む力が落ちた方には固形状より液状の補助食品をおやつ代わりに。
・飲む力が落ちた方は水やみそ汁にとろみをつける増粘剤を使って。
また、体重測定もご自宅でできる重要且つ良い方法です。
■ この時期の注意点 この時期の一番の注意点は食中毒。今年は高温多湿の為か各地で多発傾向です。 刻んだりペースト状にしたものは非常に傷みやすいので冷蔵庫に保存していたとしても過信は禁物です。 沢山の食中毒菌がありますが3つのポイントさえ守れば大半は回避できます。
1.菌をつけない
手や調理器具は良く洗って。生の肉・魚の調理の際は特に注意しましょう。
2.菌を増やさない
新鮮な食品を購入し保存は速やかにしましょう。調理後は早めに食べましょう。
3.菌をやっつける
食品の中心部まで十分に加熱しましょう。また、残ったものは思い切って処分してしまいましょう。もったいないと思ってしまいがちですが、そうであれば一度に作る量が多すぎるかもしれませんので調整され
ると良いと思います。
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